第68回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞
最も美しく、最も静謐な、新しい武侠映画
形なければ影もなく、音なければ響きなし。
唐代の中国。13年前に女道士に預けられた隠娘(インニャン/スー・チー)が戻ってくる。両親は涙を流し迎え入れるが、美しく成長した彼女は暗殺者に育て上げられていた。標的は暴君の田季安(ティエン・ジィアン/チェン・チェン)。かつての許婚であった。どうしても田季安に止めを刺すことができず、隠娘は暗殺者として生きてきた自分に情愛があることに戸惑う。「なぜ殺めるのか」と、その運命を自らに問い直す。ある日、窮地に追い込まれた隠娘は、日本人青年(妻夫木聡)に助けられる…。数奇な運命に翻弄される孤独な女刺客を慎み深く描き”アクション”という枠を越えた壮大なドラマがスクリーンに映さだされる。
巨匠ホウ・シャオシェン監督 8年ぶり渾身の最新作
ヴェネチア国際映画祭グランプリ『悲情城市』や『珈琲時光』など、多くの傑作を世に贈りだしてきたホウ・シャオシェン監督の8年ぶり最新作。『戯夢人生』、『フラワーズ・オブ・シャンハイ』、『百年恋歌』などに続き、ホウ監督はカンヌ国際映画祭コンペティション部門に本作で7度目の出品という偉業を成し遂げた。今年の審査員であったコーエン兄弟、ギレルモ・デル・トロ、グザヴィエ・ドランたちから賞賛を受け、見事に監督賞を獲得。ホウ監督の強い希望により「日本オリジナル・ディレクターズカット版」での公開となる。
撮影期間5年、総製作費約13億円。アジア最高のキャスト&スタッフが集結。
ヒロイン“女刺客”を演じたのは、ホウ監督の“ミューズ”スー・チー。激しい感情を押し殺した寡黙な演技で、新境地を見せている。標的となる田季安には『レッド・クリフ』シリーズで知られるチャン・チェン。そして、遣唐使である日本人青年を妻夫木聡、その妻を忽那汐里が演じている。また炎の揺れや木々のざわめきまでも捉える名匠リー・ピンビンの繊細なカメラワークと、本作でカンヌ国際映画祭最優秀映画サントラ賞を受賞したリン・チャンの荘厳な音楽が物語により深みを与えている。水墨画のような中国の絶景、京都・奈良・兵庫で撮影された壮美な寺院、宝石をちりばめた衣装、煌びやかな美術装飾が、濃厚で独創的な映像美を創り出している。最高のキャストとスタッフが集結し、ホウ監督の集大成にして最高傑作が完成した。